プロパティマネジメントと戦略
|不動産投資の戦略

2012-05-21更新

マネジメントとは、高い賃料を生む不動産資産の創造だけではない。契約手法、契約交渉技術、その背景となるプライシングに関する理論武装等、非常に多義にわたる。このような技術を組み合わせて戦略を作り上げるのである。何ら技術がないままの積極的な投資意欲だけでは、マネジメントの成果は期待できない。いろいろな切り口から、新しい考え方による不動産資産の運用方法が求められている。プロパティマネジメントではコスト削減・高付加価値・収益拡大に着目して、不動産の投資効果を高めることが要求される。コスト、サービス、収益力それぞれの要素は、これまでも改善を試みられてきたが、問題は、それらが個々に対処・処理されてきた点にある。つまり、各改善要素を統合し、1つのコアとなる概念を通じたトータルのマネジメントとして投資効果を改善するビジネスが成り立っていないのが現実である。たとえ「マネジメント」という言葉が使われたとしても、設備のコスト削減等は、すべて改修等に代表される建築メンテナンスの延長でしかない。

メンテナンスの大切さ

ビル清掃、エレベーターメンテナンス、施設警備、その他の設備メンテナンス等、業者相見積りによるディスカウント目的のコスト削減でしかない。これは、戦略的に再投資することによって収益性を維持、あるいは高めるマネジメントとはまったく異なったものである。ディスカウントでしか利益を生み出し得ないマネジメントは、景気が過熱してコストが上昇傾向にあるときには、利益が奪われてしまうことを意味している。ファンダメンタルな景気等に左右されず、競争優位ある利益をもたらすマネジメントが要求される。景気が停滞している時期には、必ずリフォーム、営繕産業が登場する。住宅着工件数が落ち込み、新築のビル、住宅、収益物件等建築の仕事がない時には、提案営業による改築需要をターケットとした仕事を獲得しなければならないといった建築業界の経営事情を原因としたビルマネジメントが、にわか登場する。しかし、景気が少しでも回復し、新築建築需要が持ち直すと、必ず「弊社は新築が専門で、他社が建てた建築の提案営業・リフォーム等はやらない」とばかりに、不動産施設の建築後のケアは忘れ去られてしまう。